作品の仕組み 2026-10-29

YEN TRAINERの仕組み ― 1,500万円が読みにくいのは「3けたと4けた」のずれ、読みはひらがなで声に渡す、まちがいの選択肢の作り方

日本に住む外国の人のための英語の道具 YEN TRAINER は、1,500万円や3億2,000万円を、数字と読みの両方で行き来できるようにするものです。数字を3けたで区切る世界と4けたで区切る日本語のずれ、さんびゃく・いっせんまんのような読みの例外の扱い、聞き取りで数字ではなくひらがなを声に渡す理由、10倍・10分の1から作るまちがいの選択肢を、作った本人が書きます。

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この記事の位置: AIが作り、コードが検分する → 送らない(端末の中で完結する) → [数字と実寸] → 教材の設計

「4,980万円」を「498万円」と読んでしまった、という話を聞いたのがきっかけでした。私が宅建士として中古マンションの売買にかかわったとき、買主はベトナム出身の会社員で、日本語の会話には困らない人でした。それでも、チラシの「4,980万円」を見て、一瞬、桁を一つ小さく受け取っていたのです。住宅ローンの話に入る前で、笑い話で済みましたが、家の値段の桁違いは笑い話で済まないこともあります。

なぜ読み違えるのか。数字のコンマは3けたごとに付きます。49,800,000。英語ではこれを、49 million 800 thousand と、3けたのかたまりで読みます。ところが日本語は4けたごとに単位が変わります。万、億、兆。4980|0000 と区切って「4,980万」です。目は3けたのコンマを追い、口は4けたの単位で読む。このずれが、読み違いのもとです。

YEN TRAINER の計算の芯は、この4けたの区切りです。金額を、兆・億・万で順に割って、4けたずつのかたまりに分けます。15,000,000 なら、1500 と 0000。かたまりの後ろに単位を付けて並べると「1,500万円」になり、320,000,000 なら「3億2,000万円」になります。画面では、入れた金額を 1500 | 0000 のように縦線で区切って見せ、3けたのコンマとの違いが目に入るようにしました。

同じ15,000,000円を、英語は3けたで、日本語は4けたで区切る
同じ15,000,000円を、英語は3けたで、日本語は4けたで区切る上の段に 15,000,000 を3けたずつ区切った表示と、英語の読み 15 million yen。下の段に同じ数を4けたずつ 1500 と 0000 に区切った表示と、日本語の書き方 1,500万円、読み せんごひゃくまんえん。間に、目は3けたのコンマを追い、口は4けたの単位で読む、という注記。3けたごと(コンマ)3けたごと(コンマ) 1515 000000 000000 15 million yen15 million yen 4けたごと(万・億・兆)4けたごと(万・億・兆) 1500 万1500 万 00000000 1,500万円1,500万円 せんごひゃくまんえんせんごひゃくまんえん 目は3けたのコンマを追い、口は4けたの単位で読む目は3けたのコンマを追い、口は4けたの単位で読む

上の段に 15,000,000 を3けたずつ区切った表示と、英語の読み 15 million yen。下の段に同じ数を4けたずつ 1500 と 0000 に区切った表示と、日本語の書き方 1,500万円、読み せんごひゃくまんえん。間に、目は3けたのコンマを追い、口は4けたの単位で読む、という注記。

YEN TRAINER の画面でも、入れた金額を 1500 | 0000 のように4けたで区切って見せています。

読み(ひらがな)を作るところが、一番手間がかかりました。日本語の数の読みには例外が多いのです。300は「さんびゃく」、600は「ろっぴゃく」、800は「はっぴゃく」、3000は「さんぜん」、8000は「はっせん」。これを一つずつ書き分けています。さらに、1,000万は「いっせんまん」と読むのに、1,500万は「せんごひゃくまん」です。単位の前に、ちょうど1000が来るときだけ「いっせん」にしています。兆の前の1・8・10は、いっちょう・はっちょう・じゅっちょう、と詰まる形にします。

画面の一番上の変換器は、入れる欄が一つだけです。「1,500万円」と打っても「15000000」と打っても、数字、万の書き方、ひらがなの読み、ローマ字、英語の言い方が同時に出ます。試しやすいように、1,500万円、¥85,000、3億2,000万円、4,980万円、8.5万円のボタンを置きました。

聞き取りの練習を足したとき、読み上げに渡すのは数字ではなく、このひらがなにしました。端末の読み上げに「15000000」をそのまま渡すと、どう読むかは端末しだいで、桁ごとに読んだり、英語のように読んだりすることがあります。「せんごひゃくまんえん」と渡せば、画面に出す読みと、耳に聞こえる読みが同じになります。声は、端末に入っている日本語の声の中から、ふつうの読み上げの声(Kyoko など)を先に選びます。日本語の声が入っていない端末では、聞き取りができないことを画面で伝えます。

聞き取りは5問です。金額を一度読み上げ、「ゆっくり」のボタンでは速さを落として読みます。答えは、数字(15000000)でも、万の書き方(1500万)でも受け付けます。全角の数字、コンマ、円の記号は取り除いてから読み、「8.5万」のような小数の万も85,000として扱います。チラシでは、8.5万円のような書き方を実際によく見るからです。

ローマ字の読みは、かたまりごとにハイフンでつないでいます。sen-gohyaku-man en。ひらがなを読めない人でも、どこで息を継ぐか、どこが単位かが見えるようにするためです。英語の言い方(15 million yen)も並べて出し、ベトナム語のページでは、ブラウザに入っている数の書き方の機能で、ベトナム語の言い方を出しています。

練習のほうは10問で、二つの形を交互に出します。一つは、「1,500万円」を見せて、数字の候補から選ぶ形。もう一つは、「¥15,000,000」を見せて、ローマ字の読み(sen-gohyaku-man en)から選ぶ形です。問題の金額と順番は、始めるたびに入れ替わります。10問が終わると、まちがえた問題だけを、万の書き方・数字・ローマ字の読みと、その金額を見かける場面と一緒に一覧で出します。どこで迷ったかを、その場で見直せるようにするためです。どちらの形も、まちがいの選択肢の作り方が肝心です。でたらめな数を並べると、すぐ見破られて練習になりません。そこで、正解の10倍、10分の1、100倍を候補に入れ、さらに、どこか一つの桁の数字を変えたものを足して、その中から3つを選びます。桁の読み違いと、数字の見違い。現実に起きるまちがいを、選択肢にしたのです。

正解が15,000,000円(1,500万円)のときに、まちがいの候補になる数の例
作り方数字万の書き方
正解15,000,0001,500万円
10倍150,000,0001億5,000万円
10分の11,500,000150万円
100倍1,500,000,00015億円
一つの桁の数字を変える(例)25,000,0002,500万円

題材の金額は、日本で暮らすと実際に目にするものにしました。コンビニのおにぎりとコーヒーで350円、東京のワンルームの家賃8万5,000円、敷金と礼金で家賃2か月分の17万円、求人の年収450万円。不動産と相続の数字も入れています。3,000万円の家の手付金300万円、3,000万円の売買の仲介手数料の上限105万6,000円((3,000万円×3%+6万円)×1.1)、相続人2人の相続税の基礎控除4,200万円(3,000万円+600万円×2)。どれも、解説記事に出てくる数字とそろえてあります。

読みの例外は、書き間違えるとそのまま間違った読みを教えることになります。そこで、350円(さんびゃくごじゅうえん)、8,000円(はっせんえん)、1,000万円(いっせんまんえん)、1兆円(いっちょうえん)など14の金額について、万の書き方・ひらがな・ローマ字の正解を並べたテストを作り、プログラムを直すたびに全部が合っているかを確かめています。給料の話で使う「年収450万円」のような言い方も、画面の説明に入れました。日本では、年収を万で言うのがふつうだからです。

入れなかったものもあります。為替です。1,500万円がドルでいくらかは、日々変わります。変わる数字を道具に入れると、古い数字が残り続けます。YEN TRAINER は、日本語の金額を日本語のまま読めるようにする道具で、換算はしません。練習の結果も、どこにも送りませんし、保存もしません。画面を閉じれば消えます。

冒頭の買主は、その後「4けたで区切る、と分かってから迷わなくなった」と言いました。コンマの位置を覚えるより、万の位置を見つける。YEN TRAINER は、その一つの見方を、何度でも試せる形にしたものです。

執筆:長澤 湊(宅地建物取引士・行政書士・測量士補) 内容確認日:2026-10-29

この記事は制度と手続きの一般的な説明で、個別の事案についての法律・税務の相談や判断ではありません。制度や数字は内容確認日の時点のものです。ご自身の事案は、弁護士・司法書士・税理士・行政書士など、該当する専門家に確かめてください。

参考(公式)

この記事の制度と数字は、次の一次情報で確かめられます(2026-10-29 確認)。

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