作品の仕組み 2026-09-26

英語の音の仕組み ― 崩した綴りを端末の音声合成に読ませて、「読めるのに聞き取れない」を鳴らす

「英語の音」は、会話で英語の音がつながる・消える・化ける五つのルールを、文字と音で確かめるページです。録音は一本も使わず、端末の音声合成に「wodder」「didja」のような崩した綴りを読ませて、自然な速さの音を出しています。一つの例に持たせた四つの値、二つの再生ボタンの違い、声の選び方、音が出ない端末での扱い、カタカナを発音記号にしない理由を書きます。

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この記事の位置: AIが作り、コードが検分する → 送らない(端末の中で完結する) → 数字と実寸 → [教材の設計]

「Did you get it?」。中学校で習う単語が四つ並んだ一文です。ところが会話の速さでは、四つの単語が一つの塊になり、「ディジャ・ゲリッ」に近く聞こえます。英語の音のページを作るとき、いちばん困ったのは、この「崩れた音」をどう鳴らすかでした。ブラウザの音声合成に「Did you get it?」と渡すと、行儀よく四つの単語を読んでしまう。そこで、音声合成に渡す綴りのほうを崩すことにしました。「didja geddit」です。この記事は、その仕組みの話です。

英語の音は、「読めるのに聞き取れない」の理由を、五つのルールで見せるページです。つながる音(連結)、ら行になるt・d(フラップ)、消える音(脱落)、化ける音(同化)、弱くなる音(弱形)。その前に、英語は全部の単語を同じ強さで読まない、という強弱のリズムを置いています。ルールごとに例が五つずつ、合わせて二十五の例があり、どれにも「ゆっくり」と「自然」の二つの再生ボタンが付いています。

ページのいちばん上では、冒頭の一文を「単語を分けて」と「会話の速さで」の二つのボタンで鳴らし、押したほうに合わせて、文字の塊が「DID|YOU|GET|IT?」から「ディジャ・ゲリッ?」に変わります。その下に「混ざる」「弱くなる」「つながる」「ら行化」「消える」の五つの札を並べました。一つの短い文の中に五つの変化が全部入っている、と最初に見せてから、一つずつほどいていく順番です。

リズムの部分は、音ではなく図で見せています。「Did you get it?」の四語を横に並べ、強く読む DID と GET に「強」、弱く読む you と it に「弱」の札を付けました。五つのルールの前にこれを置いたのは、つながる・消える・弱くなるといった変化の多くが、弱く読まれる語の側で起きるからです。強弱の波を先につかむと、後に続く五つが別々の暗記ではなく、一つの流れに見えてきます。

一つの例には、四つの値を持たせています。標準の綴り、音声合成に読ませる崩した綴り、聞こえ方の目安のカタカナ、意味です。たとえば water なら、綴りが「water」、崩した綴りが「wodder」、目安が「ワーラー」、意味が「水」。want to go なら「wanna go」「ワナ ゴウ」。この四つの値の表は一つのファイルにまとめてあり、画面のページと、検索エンジン向けにサーバーが返す本文が、同じ表を読みます。画面にだけある例、検索にだけある例、という食い違いが起きないようにするためです。

五つのルールと、例の四つの値(各ルールから一つずつ)
ルール標準の綴り読ませる綴り聞こえ方の目安
つながる(連結)check it outcheckidoutチェッキラウ(トゥ)
ら行になるt・dwaterwodderワーラー
消える(脱落)next dayneksdayネクスデイ
化ける(同化)did youdidjaディジュ
弱くなる(弱形)want to gowanna goワナ ゴウ

二つのボタンの違いは、速さだけではありません。「ゆっくり」は、標準の綴りを0.55倍の速さで読ませます。「自然」は、崩した綴りを1倍の速さで読ませます。音声合成は、渡された綴りを素直に読むので、「wodder」と渡せば t の位置がはじく音になり、「gotta go」と渡せば to が消えた形で読みます。つまり、「自然」のボタンで鳴っているのは、速く読んだ英語ではなく、崩れた形を文字で書き起こして、それを読ませた英語です。

二つの再生ボタンの違い ― 読ませる綴りと速さを変える
二つの再生ボタンの違い ― 読ませる綴りと速さを変える左に単語 water。「ゆっくり」は綴りそのままの water を0.55倍の速さで、「自然」は崩した綴り wodder を1倍の速さで、どちらも端末の音声合成に読ませる。録音ファイルは使わない。聞こえ方の目安はワーラー。 waterwater ゆっくりゆっくり 自然自然 綴りそのまま water綴りそのまま water 速さ 0.55倍速さ 0.55倍 崩した綴り wodder崩した綴り wodder 速さ 1倍速さ 1倍 端末の音声合成端末の音声合成 録音ファイルなし録音ファイルなし 聞こえ方の目安:ワーラー聞こえ方の目安:ワーラー

左に単語 water。「ゆっくり」は綴りそのままの water を0.55倍の速さで、「自然」は崩した綴り wodder を1倍の速さで、どちらも端末の音声合成に読ませる。録音ファイルは使わない。聞こえ方の目安はワーラー。

声は端末とブラウザで変わります。音声合成が使えない環境では再生ボタンを出さず、文字と目安だけを表示します。

録音を使わなかったのは、二十五の例に二つずつ、五十本の音声を人の声で録って、配信するのが重かったからだけではありません。端末の音声合成なら、音のファイルを送らず、再生は利用者の端末の中で完結します。代わりに、声は端末とブラウザによって変わります。同じ「wodder」でも、パソコンとスマートフォンで声の高さも響きも違う。ページの下に、再生は端末の音声合成による近似で、再現の度合いは環境で違う、と書いているのはそのためです。

声は、端末に入っている声の一覧から選びます。先に、英語らしく聞こえやすいと判断した声の名前を順に並べた表を持っていて、「Google US English」「Samantha」「Microsoft Aria」などを上から探します。見つからなければ、アメリカ英語(en-US)の声、それも無ければ英語の声、最後は一覧の最初の声です。ブラウザによっては声の一覧がページを開いた直後には空で、少し遅れて届くので、届いたときにもう一度選び直すようにしています。言語はen-US、声の高さは標準より少しだけ上げて1.08にしています。

音声合成が使えないブラウザでは、再生ボタンを出さず、「画面上の変化はそのまま読めます」と表示します。音が鳴らなくても、左に文字、右に聞こえ方の目安、という並びだけで、どこがどう崩れるかは読めるように作りました。ボタンを押すたびに前の再生を止めてから次を鳴らすのも、連打したときに音が重なって、どの例の音か分からなくなるのを防ぐためです。

カタカナは、発音記号ではありません。英語の音を正確に書く道具ではなく、文字と音のズレに気づくための目印です。「(ッ)」や「(トゥ)」のように括弧を付けた音は、話す人によって聞こえたり聞こえなかったりする音です。important を「インポー(ン)(トゥ)」と書くのは、「インポータント」と待っている耳に、そこまで音が減るかもしれない、と知らせるためです。カタカナを正解として覚えると、次に別の人の声で聞いたときに、また聞き取れなくなります。

崩した綴りには、限界もあります。音声合成は、辞書に無い綴りを、その合成の仕組みなりに推し量って読みます。「Nadadall」(Not at all)のような綴りは、合成の仕組みによって、狙った音からずれて聞こえることがあります。だから、音だけに頼らず、文字、目安のカタカナ、二つの速さの聞き比べ、の三つで一つの変化を見せる形にしています。音が狙いから少しずれても、変化の型は文字の上に残ります。

ページの最後は、歌の話で終わります。音の塊は、一度理屈を知っても、耳がすぐに追いつくわけではありません。同じ短い塊を何度も聞いて、まねする反復が要ります。その反復を楽にする方法の一つが歌で、そこから WORD WORLD へつないでいます。教科書の順に、教科書の言葉だけで歌にする設計は、WORD WORLDの設計の記事に書きました。英語の音は、その歌を聞く前の耳の準備、という位置づけです。

崩した綴りを読ませる、というのは、ずるい手に見えるかもしれません。ただ、学ぶ人に必要なのは、正しい綴りを速く読んだ音ではなく、会話で実際に崩れた形の音です。音声合成は綴りのとおりに読む。それなら、崩れた形を綴りにして渡せばいい。「Did you get it?」を「didja geddit」と書いたところから、このページは始まっています。

執筆:長澤 湊(宅地建物取引士・行政書士・測量士補) 内容確認日:2026-09-26

この記事は制度と手続きの一般的な説明で、個別の事案についての法律・税務の相談や判断ではありません。制度や数字は内容確認日の時点のものです。ご自身の事案は、弁護士・司法書士・税理士・行政書士など、該当する専門家に確かめてください。

参考(公式)

この記事の制度と数字は、次の一次情報で確かめられます(2026-09-26 確認)。

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