学び・資格 2026-10-24
賃貸不動産経営管理士の資格は5年で切れる ― 2027年3月31日が期限の人の更新講習、10時間・16,500円、期限を過ぎたら登録からやり直し
国家資格になってから初めての、賃貸不動産経営管理士の更新が2026年10月に始まりました。対象は2027年3月31日に有効期限が来る人。合格は一生有効でも登録は5年で切れること、更新講習の中身(eラーニング10時間、受講期間60日、修了試験7割)と費用16,500円、期限から逆算した申込みの時期、失効したときの再登録の費用と、業務管理者がいなくなった営業所が管理の契約を結べなくなる決まりを書きます。
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「資格の更新の案内が届いたけど、宅建士証の更新と同じで、期限の直前にやればいいんだよね」。賃貸住宅の管理会社で営業所長をしている知人から、そう聞かれました。知人は、国家資格になった最初の年度に賃貸不動産経営管理士として登録していて、営業所で一人だけの「業務管理者」です。案内を見ると、有効期限は2027年3月31日。私は、直前では間に合わないかもしれない、と答えました。講習には受講期間と、修了してから更新が終わるまでの日数があるからです。
2026年10月、賃貸不動産経営管理士協議会が、国家資格になってから初めての更新講習の受付を始めた、という報道がありました。賃貸不動産経営管理士は、2021年6月に全面施行された賃貸住宅管理業法(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律)で、管理会社が置く業務管理者の要件になった資格です。今回の対象は、もとの民間資格から移行講習を受けて国家資格に移った人と、2021年度の試験に合格して登録した人です。
自分の有効期限は、手元の認定証書か認定証カードで確かめます。民間資格から移った人は、移行講習の修了証にも書かれています。どれも見つからなければ、協議会の受付センターに問い合わせます。
まず、何が切れるのかを分けておきます。試験の合格は、生涯有効です。切れるのは「登録」のほうで、有効期限は5年です。期限までに更新の手続きをしないと資格は失効し、もう一度、登録の手続きをすることになります。合格した事実は残っても、登録が切れているあいだは、賃貸不動産経営管理士として業務管理者になることができません。
業務管理者がいなくなると、会社の側に影響が出ます。賃貸住宅管理業法12条は、管理会社に、営業所や事務所ごとに業務管理者を1人以上置くよう求めています。そして、その営業所の業務管理者が全員いなくなったときは、新しい業務管理者を選ぶまで、その営業所では大家さんと管理の契約(管理受託契約)を結んではならない、としています。知人の営業所のように業務管理者が一人だけなら、本人の失効が、そのまま営業所の新しい契約の停止につながるのです。
ほかの営業所の業務管理者に来てもらう、という手も使えません。同じ12条で、業務管理者は他の営業所や事務所の業務管理者を兼ねられないとされているからです。会社としては、営業所ごとに二人目の有資格者を置いておくか、一人の期限をきちんと管理するかのどちらかになります。
更新講習は、インターネットのeラーニングです。事前学習が4時間、講習が6時間で、合わせて10時間ほど。中身は、業務管理者の役割、管理業法をめぐる状況、直近5年間の法改正、建物と設備の維持保全、紛争の防止、管理の事例です。最後の修了試験で7割以上正解すると修了になります。本人確認にカメラを使うので、カメラ付きのパソコンかスマートフォン、タブレットが要ります。受講料は16,500円(税込)で、このうち4,500円(税込)は認定証カードの発行手数料です。今回の更新から、カードの発行が必須になりました。
期限から逆算します。手続きは、期限の半年前の2026年10月1日から始まっています。申し込んで受講料を払うと受講でき、受講期間はログインした日から60日で、延長はできません。修了すると自動的に更新の申請に進み、更新が終わるまで約1か月かかる、と案内されています。期限ぎりぎりに申し込むと、受講期間の途中で期限を迎えることもあり得ます。私が知人に勧めたのは、11月中に申し込み、週に2時間ずつ5週かけて10時間を終え、年内に修了試験を受ける段取りです。そうすれば、更新が終わるのは1月ごろで、期限まで2か月の余裕が残ります。
左から右への時間の線。2026年10月1日に受付開始。11月に申し込み、ログインから60日以内に事前学習4時間と講習6時間を終えて修了試験(7割以上)に合格する。修了すると自動で更新の申請になり、約1か月で更新が終わる。右端が有効期限の2027年3月31日で、期限を過ぎると失効し、登録講習を受けて登録からやり直しになる。
賃貸不動産経営管理士協議会の案内による(2026年10月時点)。受講期間はログインした日から60日で、延長はできません。
宅建士として業務管理者になっている人も、別に更新があります。宅建士が協議会の「指定講習」を修了して業務管理者の要件を満たしている場合、その修了証にも5年の有効期限があり、更新には指定講習(更新)の受講が要ります。こちらも2027年3月31日が期限の人の手続きが2026年10月1日から始まっていて、受講料は16,500円(税込)、eラーニングで10時間ほどです。申込みは、協議会の協力機関(全国宅地建物取引業協会連合会など)を通します。指定講習を更新しても、賃貸不動産経営管理士の資格を持ったことにはならない点も、案内に書かれています。宅建士証の5年ごとの更新とは、また別の手続きです。
期限を過ぎてしまったら、登録からやり直しです。今の登録の仕組みでは、試験の合格から1年以上たった人が登録するには、協議会の登録講習(eラーニング6時間)を修了する必要があります。費用は、受講料12,000円、事務手数料400円、登録料2,100円で、認定証カード(任意)を付けると4,500円が加わり、合わせて19,000円(いずれも税込)。さらに、管理業務の実務経験2年の証明か、実務講習の修了も要ります。失効した人の再登録の細かい扱いは、協議会の受付センターで確かめてください。
この人の数字です。更新講習なら16,500円で、時間は10時間。期限を過ぎて登録をやり直すと、カード込みで19,000円になり、差は2,500円です。ただ、本当の損はお金より日数のほうです。再登録が終わるまでのあいだ、営業所に業務管理者がいなくなり、新しい管理の契約を結べません。知人は、話したその週のうちに申し込みました。
| 期限までに更新 | 失効して登録やり直し | |
|---|---|---|
| 講習 | 更新講習 10時間 | 登録講習 6時間 |
| 受講料・手数料 | 16,500円(カード4,500円を含む) | 12,000円+事務手数料400円+登録料2,100円 |
| 認定証カード | (上に含む・必須) | 4,500円(任意) |
| 合計 | 16,500円 | 19,000円(カード込み) |
| 業務管理者が一人の営業所 | 空白なし | 再登録までの間、新しい管理受託契約を結べない |
案内が届かないときは、住所を変えたまま届け出ていない可能性があります。協議会は対象者に「資格更新のご案内」を郵送していて、申込みに使うIDとパスワードもそこに書かれています。届かなければ受付センターに問い合わせ、必要なら登録事項の変更手続きをします。会社の側では、業務管理者の名前と有効期限を一覧にして、期限の半年前に声をかける仕組みを作っておくと、一人の失効で営業所が止まることを防ぎやすくなります。
試験の構造や、宅建と重なる範囲は、宅建の次に賃貸不動産経営管理士を受ける人に向けて書いた記事にまとめました。2026年度の試験は11月15日で、今年合格して登録する人の有効期限も、登録から5年です。
合格は一生、登録は5年。更新講習は10時間で、受講期間は60日、更新が終わるまでさらに1か月。期限の日付ではなく、「申し込む月」を手帳に書いておくのが、いちばん確かな備えです。
執筆:長澤 湊(宅地建物取引士・行政書士・測量士補) 内容確認日:2026-10-24
この記事は制度と手続きの一般的な説明で、個別の事案についての法律・税務の相談や判断ではありません。制度や数字は内容確認日の時点のものです。ご自身の事案は、弁護士・司法書士・税理士・行政書士など、該当する専門家に確かめてください。
参考(公式)
この記事の制度と数字は、次の一次情報で確かめられます(2026-10-24 確認)。
- 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会「賃貸不動産経営管理士の更新手続き」 ― 有効期限は5年(今回の対象は2027年3月31日まで)、2026年10月1日から手続き、更新講習はeラーニングで事前学習4時間+講習6時間、受講期間60日、修了試験7割以上、受講料16,500円(税込・認定証カード発行手数料4,500円を含む)、更新完了まで約1か月、期限を過ぎると失効し再度の登録手続きが必要、試験の合格実績は生涯有効
- 同協議会「賃貸不動産経営管理士の登録手続き」「賃貸不動産経営管理士登録講習」 ― 登録には実務経験2年(または実務講習)と、合格から1年以内であること(または登録講習の修了)が必要。登録講習は受講料12,000円・事務手数料400円・登録料2,100円・認定証カード4,500円(いずれも税込、カードは任意)
- e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」 ― 12条1項(営業所・事務所ごとに業務管理者を1人以上置く)、2項(業務管理者が全員欠けたら、新たに選ぶまでその営業所で管理受託契約を結べない)