学び・資格 2026-10-14
宅建の次に管理業務主任者 ― 2026年は12月6日、宅建から7週間で積む範囲、合格点36問前後と登録の「2年」
管理業務主任者は、マンション管理会社に置くことが法律で決まっている資格で、管理委託契約の前の重要事項説明と管理事務の報告を受け持ちます。2026年度の試験は12月6日、四肢択一50問・2時間で、宅建士試験(10月18日)からちょうど7週間後です。試験の五つの範囲のうち宅建の知識が使えるところ・使えないところ、5問免除の対象(マンション管理士合格者だけ)、合格基準点の推移(35〜38問)、登録に要る実務2年か実務講習、7週間・約108時間の組み方を書きます。
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「宅建の自己採点が37点でした。会社から、次は管理業務主任者を取れと言われています。12月まで何をすればいいですか」。去年の秋、マンション管理会社に入って3年目の20代の男性から、そう相談されました。宅建士試験の日から管理業務主任者試験の日までは、2026年もちょうど7週間です(10月18日と12月6日)。この記事は、その7週間の組み方と、試験と登録の仕組みを書きます。
管理業務主任者は、マンションの管理会社に置くことが法律で決まっている資格です。管理会社は、事務所ごとに、管理を受けている管理組合30につき1人以上の割合で、専任の管理業務主任者を置かなければなりません(マンション管理適正化法56条、同法施行規則61条)。管理組合と管理の委託契約を結ぶ前の重要事項の説明と、管理の仕事の定期的な報告は、管理業務主任者がします(同法72条・77条)。宅建士が不動産の売買や賃貸の契約の前に説明する人なら、管理業務主任者は、マンションの管理の契約の前に説明する人です。
試験の形を確かめます。2026年度は12月6日(日)の13時から15時までの2時間、四肢択一の50問です(50問は2025年度と同じ)。申込みはWebが9月30日、郵送が8月24日で締め切られています。受験手数料は8,900円で、Webで申し込んだ人は事務手数料297円が加わります。合格発表は2027年1月15日。出題の根拠になる法令は、2026年4月1日に施行されているものです(マンション管理業協会の実施要領による)。
範囲は、施行規則64条に五つ並んでいます。一、管理事務と管理者事務の委託契約。二、管理組合の会計(収入と支出、お金の出し入れ)。三、建物と附属設備の維持・修繕の企画や実施の調整。四、マンション管理適正化法。五、そのほか管理事務の実施に関すること。実際の問題では、民法、区分所有法(マンションの持ち主どうしのルールを決めた法律)、標準管理規約、標準管理委託契約書、会計と税務、建築基準法や消防法などの設備の法令、適正化法が出ます。
宅建の勉強が使えるところと、使えないところがあります。民法(契約、不法行為、相続)、区分所有法、建築基準法の基礎は、宅建の知識がそのまま土台になります。ただ、宅建では例年1問の区分所有法が、管理業務主任者では標準管理規約と合わせて大きな柱になり、聞かれる深さが違います。会計(仕訳、滞納された管理費の処理)、設備(給水・排水・消防設備・長期修繕計画)、標準管理委託契約書は、宅建には出ない新しい範囲です。7週間の大半は、この新しい範囲と、区分所有法の掘り下げに使うことになります。
一部免除もあります。マンション管理士試験に合格した人は、四つ目の「適正化法」の5問が免除され、45問で受けます(施行規則66条)。2025年度の合格基準点は、50問中36問、免除の人は45問中31問でした。宅建士の合格者には、この免除はありません。宅建の登録講習による5問免除と混同しやすいので、気をつけてください。
合格点と合格率です。マンション管理業協会の公表では、合格基準点は2021年度から順に35問、36問、35問、38問、36問。合格率は18.9〜21.9%で、2025年度は受験者14,435人のうち合格者2,832人(19.6%)でした。合格点が年によって3問動くので、「36問で受かる」ではなく、「38問を取る設計」で準備するほうが安全です。
2021年度 35問、2022年度 36問、2023年度 35問、2024年度 38問(この5年で最も高い)、2025年度 36問(受験者14,435人・合格者2,832人)
マンション管理業協会の結果報告による。マンション管理士合格者(5問免除)の基準点は、2025年度は45問中31問。
合格しただけでは名乗れません。管理業務主任者として登録するには、管理事務の実務経験が2年以上あるか、国土交通大臣の登録を受けた実務講習を修了している必要があります(適正化法59条、施行規則68条・69条)。登録したあと、管理業務主任者証の交付を受けてはじめて、重要事項の説明ができます(説明のときは主任者証を見せます)。合格したあとの登録の記事に、宅建士と行政書士の登録の流れを書きましたが、仕組みはよく似ています。
7週間の組み方です。試験日から逆算する勉強計画の記事で書いた「残り周回数」で考えます。平日1時間半、土日4時間なら、1週間で15.5時間、7週間で約108時間。最初の3週間で新しい範囲(委託契約・会計・設備)を一周し、次の2週間で区分所有法と標準管理規約を宅建の知識の上に積み、最後の2週間は過去問の肢を○×で回して、不安な肢だけを残します。過去問ループの管理業務主任者のパックは、令和3年度から7年度の四肢択一を肢ごとの○×に分けたもので、個数問題や計算問題は入っていません。会計の計算は、過去問の冊子で別に練習します。
| 週 | やること | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 1〜3週目 | 新しい範囲を一周(委託契約・会計・設備) | 約46時間 |
| 4〜5週目 | 区分所有法と標準管理規約を、宅建の民法の上に積む | 約31時間 |
| 6〜7週目 | 過去問の肢を○×で回し、不安な肢だけを残す | 約31時間 |
| 合計 | 約108時間 |
お金の話です。この男性の会社では、管理業務主任者の資格手当が月1万円でした。受験にかかったのは、受験手数料8,900円とWebの事務手数料297円で9,197円、過去問集と参考書で約6,000円、合わせて約1万5,200円。実務は2年を超えていたので、登録のための講習の費用はかかりませんでした。手当は年12万円になるので、受験の費用は登録から約1か月半で戻る計算です。
この人の結果です。管理業務主任者は自己採点で39問、その年の合格基準点36問を3問上回って合格しました。落としたのは会計の計算と、設備の数字の問題が中心で、民法と区分所有法は、宅建の貯金でほとんど落とさなかったそうです。宅建の勉強で作った「肢を○×で回す」型を、そのまま持ち込めたのも大きかったと言っていました。
名前の似たマンション管理士との違いも書いておきます。マンション管理士は、管理組合(マンションの持ち主の集まり)の側に立って相談に乗る資格で、登録した人だけがその名前を名乗れる資格です(適正化法43条)。管理業務主任者は、管理会社の側で、契約の説明と報告をする資格です。立つ側が逆で、試験の範囲は大きく重なります。どちらかに合格すると、もう一方の試験で適正化法の5問が免除されるのはこのためで(施行規則4条・66条)、管理業務主任者に受かった翌年にマンション管理士を目指す人もいます。ただし、マンション管理士の合格率は10〜12%ほど(過去問ループの国家資格一覧表の目安)で、管理業務主任者より一段難しい試験として準備することになります。
宅建と管理業務主任者は、10月と12月に、7週間の間をあけて並んでいます。宅建で作った民法の土台が冷めないうちに、新しい範囲だけを積む。同じ年に二つを取るなら、効率のよい組み合わせです。資格の選び方の記事に書いた四つの軸で言えば、目的(管理会社での必置資格と手当)、受験資格(なし)、試験形式(択一だけ)、時間(7週間で約108時間)。この四つがそろう人には、勧めやすい二つ目の資格です。
執筆:長澤 湊(宅地建物取引士・行政書士・測量士補) 内容確認日:2026-10-14
この記事は制度と手続きの一般的な説明で、個別の事案についての法律・税務の相談や判断ではありません。制度や数字は内容確認日の時点のものです。ご自身の事案は、弁護士・司法書士・税理士・行政書士など、該当する専門家に確かめてください。
参考(公式)
この記事の制度と数字は、次の一次情報で確かめられます(2026-10-14 確認)。
- マンション管理業協会「令和8年度 管理業務主任者試験 実施要領」 ― 試験日2026年12月6日13時〜15時、受験手数料8,900円(Webは事務手数料297円)、合格発表2027年1月15日、法令は2026年4月1日現在
- マンション管理業協会「令和7年度 管理業務主任者試験 結果報告」 ― 受験者14,435人、合格者2,832人、合格基準点50問中36問(一部免除者は45問中31問)、過去の推移
- e-Gov法令検索「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則」 ― 61条(管理組合30につき1人以上の専任の管理業務主任者)、64条(試験すべき事項)、66条(マンション管理士試験合格者の一部免除)、68条・69条(登録に要る実務2年、または登録実務講習)