2026-08-05
円を描く前の沈黙も、円相の一部にした
筆を置くまでの時間と、一周するまでの運筆時間を、円相の見立てに加えた日の記録。
円相は、画面に指で円をひとつ描くWeb Toyです。はじめは、できあがった線の形だけを見ていました。真円に近いか、閉じているか、時計回りか、途中で速度が揺れたか。けれど、実際に遊んでみると、線が現れる前にも人の違いがありました。
画面が出た瞬間に描き始める人もいれば、どこから始めるかをしばらく考える人もいます。そこで、画面を開いてから最初に筆を置くまでの時間と、筆を置いてから離すまでの運筆時間を計ることにしました。数字そのものを競わせるのではなく、見立ての材料として使います。
結果には運筆時間を小数点以下二桁で表示します。一方、描き始めるまでの時間は数字で露出させず、「考えるより先に筆が出た」「ひと呼吸ぶん眺めてから置いた」といった言葉に翻訳します。速いから良い、遅いから悪い、という採点にはしません。
線の描画も見直しました。速度によって太さと墨色がわずかに変わり、速い箇所には細いかすれ、ゆっくり置いた箇所には淡いにじみが残ります。実物の筆を完全に再現するものではありませんが、均一な製図線より、手の動きが残る線を目指しました。
計測した座標と時間は見立てのためにサーバーへ送りますが、結果を出した後に利用者の履歴として保存しません。見ているのは一回分の一筆だけです。