2026-08-23
深海へ、1万900メートルの静けさまで潜った
入力を求めず、海面から深度をたどる動きそのものを遊びにしたWeb Toyを公開し、暗がりの粒子と帰り道を整えた日の記録。
八月二十三日は、「深海、1万900メートル。」をKuraLabへ公開しました。名前や答えを入力して結果を受け取る作品が多いなかで、このWeb Toyは入力を求めません。海面から潜り、十メートル、四十メートル、百三十メートルと深度を進む。その時間そのものを、入口にしました。
水面の光が少しずつ遠のき、画面の色が暗くなるにつれて、見えるものも変わります。マウスを動かしたときの水の揺れや、クリックで広がる波紋を残し、説明を読む前に「潜っている」と感じられるようにしています。派手な操作を増やすのではなく、静かな変化を重ねる構成です。
深い場所に現れる粒子は、貼り付いた絵ではなく、わずかに明滅しながら揺らぎます。完全な暗闇へ向かう途中にも、見えたり消えたりする小さな気配がある。その動きを加えることで、スクロールの各区間に時間が流れるようにしました。
作品の最後には、KuraLabのトップへ戻る道を置きました。深海から戻って別の作品へ移れるよう、共通のフッターと同じ考え方で、帰り道を画面の終わりにまとめています。作品の中へ集中できることと、サイト全体を迷わず歩けることを両立するためです。
入力なし、出力あり。結果を計算するのではなく、見ているあいだに景色が変わる。そんな入口もKuraLabにはあっていい。海面から暗がりまでを一度に見渡さず、自分の手で少しずつ潜っていく場所を公開した日の工事です。