日々の一首一字

オリクジと今日の一字から、その日に選ばれた二つを残します。工事日誌とは別の、作品のまわりに増えていく小さな読みものです。

2026-10-07 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 吉

ひだまりに
なにも言わずに
たたずんで
猫がそこにいる
それだけでいい

ただそこにいる、それで十分。

今日の一字 · 沼

浸(ひたる)

好きなものにじわじわ浸かって、そのまま深みにはまっていく一日。

2026-10-06 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 中吉

そら豆を
らんらん剥けば
のぞく緑
今日はこれだけ
いいことがあった

さやの中、今日の小さな正解。

今日の一字 · 推

届(とどく)

応援の声が画面の向こうに確かに届く日。

2026-10-05 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 末吉

つぼみまだ
むすばれもせず
ぎゅっと土
あたためている
根っこの話

地面の下で、もう動いている。

今日の一字 · 研

磨(みがく)

砥石に当て続けることで、刃はすこしずつ本来の鋭さを取り戻す。

2026-10-04 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 吉

あたらしい
さいふのにおい
ひだまりに
なれてきたころ
春が来ている

なじんだものが、いちばんあたたかい。

今日の一字 · 満

蓄(たくわえる)

受け取ったものを手放さず、体にも棚にも積み重ねていく一日。

2026-10-03 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 中吉

るすばんの
りんごひとつが
こころなし
赤くなってた
今日もよかった

ひとりの午後に小さな実り。

今日の一字 · 放

軽(かるくなる)

荷物を降ろした後の肩のように、体ごと軽くなる一日。

2026-09-05 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 中吉

みずたまり
なぜかきれいと
とまってる
りんごのにおい
風ふきぬけた

悪くない午後、確かにあった。

今日の一字 · 放

脱(ぬける)

重ねていた何かをするりと抜いて、肩が一段下がる日。

2026-09-02 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 大吉

しずかにも
おいかぜが吹く
りんごの木
なびく枝から
実が落ちてくる

何もしなくても、もう転がってくる。

今日の一字 · 動

踏(ふむ)

まず足を出す、その一歩が今日の全部だから。

2026-08-31 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 凶

さいふから
ちょうど小銭が
のぞくけど
りん檎一個も
買えない春よ

財布ごとかわいい凶。

今日の一字 · 充

満(みちる)

空になったものを静かに満たしていく一日。

2026-08-30 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 小吉

あめあがり
きのうの雲は
のきばまで
ぶどう色した
夕焼けに似る

昨日の残りが今日をそっと照らす。

今日の一字 · 満

蓄(たくわえる)

満ちた分を手放さず、今日は静かに蓄える日。

2026-08-29 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 吉

あたらしい
きのうより少し
のびている
りんごの木みたく
ちゃんと育ってる

気づかないうちに、伸びてた。

今日の一字 · 整

揃(そろう)

ばらついていたものが今日ひとつに収まっていく。

2026-08-27 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 中吉

あの角の
きいろい銀杏に
やっと気づく
まだ昼間だと
空が言ってた

見上げれば、ちゃんとそこにある。

今日の一字 · 繋

集(あつまる)

人も連絡も、今日はひとところに引き寄せられてくる日。

2026-08-25 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 凶

ゆうべまた
きゅうりだけだよ
さいふから
千円消えた
でも腹へった

凶でもきゅうりは体にいい。

今日の一字 · 眠

沈(しずむ)

布団に体がゆっくり沈んでいく、それでいい一日。

2026-08-24 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 大吉

みずたまり
なにも映して
せいいっぱい
空が青くて
それだけでいい

今日の空は全部あなたのもの。

今日の一字 · 動

踏(ふむ)

足を上げて地を踏む日、そこから先が始まる。

2026-08-23 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 中吉

あの角を
かがやく自販機
りんごジュース
百円玉が
ちょうどあったよ

今日はそういう日だった。

今日の一字 · 遊

散(ちる)

寄り道のたびに気が散って、それがちょうどいい一日だった。

2026-08-22 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 小吉

こぬ雨を
よそに窓ふく
ねこがいて
それだけで足る
土曜の昼よ

なにもない日に、ちゃんとある。

今日の一字 · 満

頂(いただき)

受け皿いっぱいに届いたものを、両手でそっと持ち上げる日。

2026-08-21 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 凶

ほぼ全部
しくじってきた
ねえそれが
わりといい味
出てるじゃないか

失敗は、だいたいキャラになる。

今日の一字 · 充

眠(ねむり)

今日はたっぷり寝ることが、一番の仕事になる。

2026-08-20 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 凶

そのツキは
らいげつ回収
ねこのひたい
くらいとこにも
日なたはあるよ

凶でもねこはあたたかい。

今日の一字 · 眠

沈(しずむ)

体が布団に沈んで、そこが今日いちばん正しい場所だった。

2026-08-19 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 波吉

あの波は
さっきも同じ
ねそべって
また来た気がする
それでいいんだ

行きつ戻りつ、それが海の正直さ。

今日の一字 · 沼

浸(ひたる)

好きなものにじわじわと染み込まれていく一日だった。

2026-08-18 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 小吉

さっきまで
よそのベランダに
りんごあり
気づけばなくて
それだけのこと

見えていたものが、ちゃんとあった。

今日の一字 · 放

脱(ぬぐ)

するりと抜け出す日。着込んでいたものを一枚ずつ床に落とす感じ。

2026-08-17 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 吉

さいごまで
よく噛んで食べた
りんご飴
それだけのこと
今日も悪くない

ちゃんと味わえた一日。

今日の一字 · 静

聴(きく)

耳をすませて、遠くの音まで拾っていくような一日。

2026-08-16 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 大吉

ゆるやかに
らせん状に日が
ねじれてく
向かい風さえ
背中を押してる

今日、全部が味方になった。

今日の一字 · 動

運(はこぶ)

足を動かすほど、何かが次の場所へ届く日。

2026-08-15 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 吉

こぬか雨
はらりとぬれる
るすの窓
ただいまと言えば
灯りがともる

帰ってくる場所が、ある。

今日の一字 · 整

揃(そろう)

バラバラだったものが今日ひとつの列に並ぶ。

2026-08-07 ― 日々の一首と一字

今日の奉納歌 · 小吉

けんかした
しおりのはさまる
ろくじごろ
うすくひかって
本のやけた縁

ちいさな傷も、どこかあたたかい。

今日の一字 · 静

徳(とく)

急がない一日は、細かな音を拾う日になる。

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